亥-イノシシ
ブタを好きになったワケ。
動物好きな私が入った大学は、畜産関係の勉強をするところ。
1年次に大学の農場に一週間泊まり込んで、日中は授業に出ながら朝晩には牛や豚の世話をする実習がある、ちょっと変わった楽しい学科でした。餌やり掃除に乳搾りとか、牛の出産とか、なかなか体験できることじゃない。野生動物大好きーとか思ってたのに、しっかり家畜も大好きにされてしまいました。
で、理系の大学なのでやっぱり卒業するためには研究をして卒論を書かねばならない。いろいろ悩んで決めた研究室に、「豚当番」なるものがあったのです。そして私の研究テーマは、豚肉。豚豚豚の一年が始まる…
豚の世話は朝の掃除から始まって…って書き始めると長くなるからやめとくけど、それはもうウンコから肉まで全てを愛するしかなくなるものなのですよ。でかいし重いし臭いしうるさいし痛いしそのくせ可愛いし。でも本当、自分たちが世話して大きくした豚たちが美味しいお肉になって帰ってきたのを食べた時の感動ったらなかった。真っ二つになった豚の脂肪の付き方を見て、いい肉になったなぁ!と、肉になってしまった豚に愛情さえ湧くわけです。いやぁほんとあいつら、臭くて可愛くて美味しかった。
そんなわけでブタ大好きになったのでした。(わけ分かんないよなぁ…)
はじめての半立体はスランプから。
FIMOで半立体。それはこれまで「ちょっとおもしろそう」と思いながら、特にやってみる機会もなかった半立体に挑戦! …なんて前向きなものではなく、本当は一度モデルマジックでイノシシを作って失敗したための苦肉の策。絵なら描けるけど、思ったように立体に出来ない…と、なにやらモデルマジックで生き物を作る自信も楽しみもすっかり失っていた時期でした。他のことが楽しくて忙しくてネンドなんてほとんど触ってないんだから、いきなり作ろうったって手が動かないのはまぁ無理もない。と今なら思えるが、それはそれは辛い頃だった。ていうか手が動かないのもそうだけど、たぶん湿度が足りなかったんだよね。笑
で、湿度関係なしにじっくり形を決められるオーブン粘土のFIMOに白羽の矢が立ち、まぁ完全立体を作る自信もすっかりなくなっていたので、「イラストを少し立体的にしたような半立体ならばなんとか作れるに違いない」なんて発想にたどり着いたというわけです。そしたらなんだか急に気が楽になったようで、イノシシもブタも作ってしまったんですな。なんなんでしょうな。
結果オーライ、このマンガチックなイノシシとブタは楽しく可愛く作れたなと思う。白バック撮影も完全立体に比べてかなり楽だったし、これでいろんなブタの仲間をずらーと並べたら可愛いな、とか楽しい妄想もできたし。逃げるのも悪いばっかりじゃないですね。笑
副蹄フェチ
今回最大の見どころは、なんと言っても副蹄だと思っております。
ブタって言ったらやっぱりチョキ型の蹄(ひづめ)が思い浮かびますね。世にあふれるブタさんイラストもやっぱり二つに分かれた蹄で描かれてる。けど実はその後ろには、小さな蹄がもう二つ付いてるんです。それが副蹄。ウシ、シカ、イノシシの仲間はみーんなついている副蹄。ウマにはない。
別にかわいいブタさんイラスト描くのに副蹄も表現しないと邪道だ!とか言わないしむしろついてなくていいと思います。けど、そこにそんなものがちゃんと付いてるんだから、私はそこは作らないと気が済まない。だって、可愛いじゃん。笑
イノシシは鼻が長くて見えなくなっちゃってるけど、ブタには内側にチラッと見えるでしょ。これが副蹄です!